催眠と聞くと体や意識を勝手にコントロールされてしまうイメージが強くありますよね。ヒプノジャパンにご相談をしてくださる方の中にも催眠=洗脳のように勝手に操られてしまうイメージがあります!とお声をいただくことがあります。
今回は、現役の催眠術師でもあり催眠療法士でもある私が、催眠と洗脳の違いについて紹介をします。
① そもそも催眠術とは?
催眠には、「自己催眠」と「他者催眠」の2種類があります。この2つについてそれぞれ簡単にご紹介をします。
自己催眠とは..?
文字通り、自分で自分自身を「変性意識(トランス)状態」へ誘導して暗示をかける方法のことです。
他者催眠とは…?
自分以外の他者が催眠状態に誘導し、トランス状態へ導きます。トランス状態になると、周囲の音や物事が気にならなくなり、催眠者の暗示に反応しやすくなります。このトランス状態にある被験者に催眠者が暗示をかけることを他者催眠と言うのです。
実は、この催眠と似た状態というのは、私たちの日常生活の中でも頻繁に起こっています。例えば、朝、目が覚めたときに布団の中でぼんやりとしている状態や、電車に揺られてウトウトしているとき、読書やテレビなどに夢中になっていて、誰かから声を掛けられても気が付かないときなどは、軽い催眠にかかったときと近い状態と言えるのです。
もっと詳しく催眠術について知りたい方は、「現役の催眠術師が徹底解説!催眠術とは?」を読んでいただくこと、より催眠術に対しての理解を深めることができます。ぜひ読んでみてください。
② 催眠術と洗脳の違いは何?
催眠術とは、上記で述べた通り人の意識をトランス状態に導いた上で、暗示をかけることです。これに対し、洗脳という言葉があります。あなたは、洗脳と聞くとどんなイメージがありますか?きっと、あまり良いイメージはありませんよね。
しかし、洗脳と催眠は同じ気がする…と感じる方もいるかと思います。詳しくその違いについて確認してみましょう。
洗脳とは?
監禁や脅迫、飢餓、暴力などの虐待方法を用いた強制的な思想改造を言います。
例えば日常的に暴力をふるう中で、時折やさしく接したり、受け入れやすい要求を少しずつ出したりしながら相手の思想そのものを変えていくことが洗脳です。
しかし、一般的には洗脳によって思想が変わってしまったとしても、普通の環境に戻ることによってその思想もまた、元に戻ることがほとんどです。
催眠とは?
洗脳が暴力的な強制力を持っているのに対し、催眠には被験者の同意が必要不可欠です。洗脳が強制的に意識を変えてしまえるのに対して、催眠は本人に肯定的な意識がなくてはかかることがないという大きな違いがあるのです。例えば、やる気をだす催眠をかけてほしい!と思ったとしても、本人が心底望んでいなければ催眠をかけることはできません。強制的にかけることもできますが、時間が経過をすると徐々に薄れていきます。
この様に催眠は、強制をすることができませんが洗脳は力のある者により最も簡単に実現をすることができるという大きな違いがあります。
③思い込みという洗脳を解消するために催眠療法がおすすめ
洗脳とは、暴力的な強制力を用いるものと説明しました。現代の日本では、こういった過度な暴力行為を行えば、当然逮捕されてしまうことがほとんどです。しかし、実は日常生活の中でも、この洗脳に近い状態を作り出してしまうケースがあるのです。例えば、あなたはこんな経験はありませんか?
<ケース1>
幼い頃から両親やきょうだいなど、身近にいる存在から「あなたはダメな人間だ」などといった否定的な言葉を常に向けられて育った。
<ケース2>
あなたは仕事の能力がない!と上司から強く叱責をされてしまった。それ以降、自分に自信を持つことができずに長年の間トラウマになっていることがある。
<ケース3>
幼稚園や小学校、中学校、高校でいじめを受けて、「自分は人に嫌われてしまうのではないか」という恐怖心を抱いている。社会人になってからでもその洗脳から解放されることができない。
この様なある種の「思い込み」という洗脳を受けた状態になってしまうのです。通常、「催眠」では被験者本人の意思が強く、「催眠にはかからない」という意識を持っていれば、暗示にかかることはほぼありません。
しかし、たとえ暴力的な行為がなかったとしても、長い時間をかけて身近な存在から言われ続けた言葉は、洗脳として本人の意識を変えてしまいます。
その結果として、自分自身のことを「ダメな人間なんだ」と思い込んでしまったり、本来であれば持っているはずの能力を発揮できなくなってしまったりすることもあるのです。なんてもったいないことなんだろうか…と思いませんか。
実は、暴力的な洗脳であれば人間らしい普通の生活を送る上で少しずつもとに戻ることはあるのですが、こうした思い込みという形で長い時間をかけて刷り込まれた洗脳はなかなか解けないこともあるのです。
思い込みという洗脳を外し、「今のままのあなたでも大丈夫」「あなたは愛されるべき存在だ」ということを
意識として持てるようになるためには、催眠を利用して洗脳を解消してあげることが何より大切です。でも催眠療法を利用することにより、どんな内容を解消することができるのでしょうか?次の章で詳しくご紹介をします。
④ 催眠療法で対応できる内容
催眠療法と聞くと、自己肯定感を高めたりトラウマを解消するきっかけが掴めたりといった精神的な部分への効果を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、実は心のケアだけでなく、身体的なケアや性への悩み、さらには美容に繋がる効果も期待できるのです。ここでは、催眠療法を受けることで得られる効果についてご紹介します。
心のケア
- 不安定な感情を安定させる効果
- 性格や考え方を前向きにする効果
- 不安を取り去り安心できる効果
- 周囲の視線や評価を気にせずあなたらしく生きられるようになる効果
- トラウマや不眠、心の病を軽減する効果
身体的なケア
- 肩こりや腰痛の軽減
- 冷え性の改善
- 血行の促進
- 食いしばりなどの緊張の改善
- どもりや滑舌の改善
- 体に生じる傷みの緩和
性へのお悩みに対するケア
- 異性への恐怖心の軽減
- 性行為への傷みや恐怖心の軽減
- 快感を得られない、感度を上げたいなどのお悩みの改善
美容に対するケア
- 肌荒れの改善
- むくみの軽減
- 食欲の制限
- 表情を明るくする効果
- 間食を控える効果
催眠でできることについて知りたい方は、「催眠療法のメニュー」で紹介をしていますのでぜひご覧ください。
⑤催眠療法を受けてみませんか?
催眠術とは、トランス状態と呼ばれる催眠者の暗示に反応しやすい状態に誘導することによって、さまざまな暗示をかけることを言います。催眠術は基本的に催眠者と被験者の間に同意があって初めて成立するものです。
そのため、被験者に強い意思がある場合や、「催眠にかかりたくない」という拒絶の気持ちがあるときには催眠術にかかることはありません。これに対し、洗脳とは暴力的な強制力を用いて相手の思考を根本から変えてしまうことを言います。
通常、洗脳はその状況から離れ、環境が改善されることによって解けるケースがほとんどです。かし、中には幼少期から周囲に掛けられてきた言葉によって洗脳状態になってしまうケースもあります。
特に、周囲の信頼できる間柄の存在からの言葉によって思い込みという形で洗脳状態になってしまうと、その状況から離れただけでは洗脳が解けないこともあるのです。
そのため、時には催眠療法などの力を借りて改善を促す必要もあるのです。催眠療法では、トラウマや意識の改善といった心のケアだけでなく、身体的なケアや性の悩み、美容に対する効果なども期待できます。日常生活の中で悩んでいることがあるのであれば、一度催眠療法を試してみてはいかがでしょうか。