よく聞く退行催眠は効果があるの?他の催眠療法との違いも紹介

クライアントの真相心理に働きかけることで意識を前向きに変えてくれる催眠療法ですが、一口に「催眠療法」と言っても、その種類はさまざまです。具体的にどのような方法で催眠療法が行われ、どのような効果があるのかについてもよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

そのため、催眠療法そのものが敷居の高いものというイメージを抱いてしまったり、不安が大きかったりして、興味はあるものの催眠療法を受けられずにいるという方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、催眠療法の中でも「退行催眠」と呼ばれる方法に焦点を当て、どのようなことが行われるのか、どんな方に向いているのかについて解説します。最後まで読んでいただくことで退行催眠の特徴が理解できるため、催眠療法を受けるきっかけになるかもしれません。

① そもそも催眠療法とは一体何?

催眠療法 名古屋

そもそも催眠療法とは、どのようなものなのでしょう?「催眠」と聞くと、怪しげな催眠術師の言葉にクライアントが操られてしまったり、体が動かなくなる・味覚や触覚などの感覚がなくなってしまったりするというイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、実際には催眠によって人の意識を操ることはできません。味覚や手や足の感覚が変わってしまうということはあるかもしれませんが、それは暗示による思い込みの力で、味を感じなくなったり、体が動かなくなったりするだけなのです。

催眠とは、クライアントを暗示にかかりやすい変性意識(トランス)状態にした後、言葉や非言語的な方法で暗示をかけることを言います。この暗示によって、クライアント自身の体験を客観的に見直せたり、行動や意識を少しだけ変えられたりするのです。これが、催眠療法です。

私たち人間は、日常生活の中で、無意識に本来ならば持っている力をセーブしていることが多いのです。
例えば「早起きできない」・「会話するのが苦手」・「高い場所は怖い」と自分自身が強く思い込むことによって、いつのまにか強い自己暗示にかかってしまっている可能性もあるのです。こうした思い込みを変え、ストレスケアや恐怖症の克服に役立てるのが、催眠療法なのです。

もっと詳しく催眠について知りたい方は、「催眠療法は本当に効果があるの?催眠療法士が本音を暴露」を一緒に読んでいただくと、よりわかりやすいかと思いますのでおすすめです。さて、催眠療法の種類のひとつである退行催眠とは一体どんな内容なのでしょうか?次の章では、その種類について詳しくご案内をします。

② 退行催眠以外にも5つの催眠の種類があると知っていましたか?

退行催眠

ひとことで催眠療法と言われていますが、実はその中でもさらに5つに分かれています。退行催眠もその中のひとつの療法です。それぞれ、暗示療法、退行催眠療法、ヒプノマッサージ、前世退行催眠、イメージ催眠があります。

そのため、退行催眠が一番効果的な方法な場合もあれば、そうではないケースもあります。あなたの気持ちに合わせて適切な催眠療法を受けることによりお悩みの解決やなりたい自分になることができますのでおすすめです。少し長くなってしまいましたが、退行催眠も含むそれぞれの特徴について一緒に読み進めていきましょう。

暗示療法

まず一つ目の催眠が「暗示療法」です。暗示療法とは、その名の通り暗示をかけることによってクライアントの感覚や判断などを正常な状態に導いていく療法です。繰り返し受けていただくことによって、長期間にわたって効果を持続できる特徴があります。そのため、緊張感や不安感が強い方や、癖を直したいと考えている方などに効果的です。

おすすめのお悩み
・不安感が強い
・すぐに緊張をしてしまう
・常に前向きにいたい
・モチベーションを上げたい

退行催眠療法

二つ目は、退行催眠療法です。退行催眠療法とは過去の記憶やイメージを受けた当初の場面に意識を戻すことにより、意識を改善する療法です。過去のショックな出来事を乗り超えたいという気持ちを持っている方にとっては、心の成長を促すきっかけとなる療法です。しかしながら、注意点として大きなトラウマを抱えている場合は、臨床心理の知識を知っている方の元で退行催眠を受けていただくことをおすすめしています。

おすすめのお悩み
・幼少期の心の傷
・苦手意識を持った過去の傷を癒す
・深く傷ついた時の記憶を緩和する

ヒプノマッサージ

ヒプノマッサージとは、軽度のうつや神経過敏といった症状がある方におすすめのマッサージ療法です。心の弛緩を体に定着させ、集中力を向上させる効果もあります。ヒプノマッサージ=体に触れるのではなく、呼吸をゆっくりと繰り返すことにより体の緊張感を緩和させることができます。

おすすめの悩み
・肩こり
・集中力の向上
・ストレスによる緊張感の緩和
・全身のリラックスをする

前世退行催眠

前世退行催眠は、催眠療法と似ていますが、あなた自身の過去や体験までさかのぼる退行催眠と違い、前世の記憶やイメージまでさかのぼる療法です。つらいと感じる気持ちはあるものの、原因がわからない場合などに、抱えている悩みごとと前世の関係を探るために利用されます。特に、見えない力を信じることができる方やスピリチュアルが好きな方、興味がある方にはとても大きな力を発揮することができる退行催眠です。

おすすめのお悩み
・天職を知りたい
・過去のカルマが気になる
・前世と現在の悩みの因果関係を知りたい
・今世の生きる目的を知りたい

イメージ催眠

イメージ催眠とは、あなた自身の「なりたい自分」のイメージを強く想像することによって、その理想を実現できるよう促す療法です。あなた自身の成功した自分をはっきりとイメージしたい方や、そのイメージに少しでも近付きたいと考えている方に最適な療法です。

おすすめの悩み
・モチベーションを上げたい
・叶えたい夢がある
・新いアイディアがほしい

③ 退行催眠とはなんでしょうか?具体的に紹介

退行催眠

さて、退行催眠も含めて他の催眠療法についてご紹介をしていきました。ここでは、もう少し退行催眠について触れていきたいと思います。

先ほどもちらっとお話をしたように、退行催眠とは、あなた自身が今現在悩んでいる心理的苦痛(トラウマ)を取り除くための催眠療法です。具体的には、催眠によってトラウマとなった出来事を体験した過去の記憶を呼び戻し、問題となっていることの原因を探ったり、過去の意識にアプローチしたりすることでトラウマを軽減します。

他にもクライアントの幼少期以前、つまりは前世の記憶に戻ることも可能です。現在感じている不安やストレス・トラウマなどは、前世の心理的苦痛などが原因となっていることも少なくありません。そのため、退行催眠で前世に戻ることによって、心理的苦痛を和らげることができます。

退行催眠の注意点
幼少期のトラウマに触れることもありますので、臨床心理を学んだ先生が対応をすることをおすすめしています。

④退行催眠が向いている人

退行催眠

退行催眠を受けるにあたり、どんな人が向いているのでしょうか。きっと、この文章を読んでくださっている方の中にも、子どものころに、家庭内で心理的外傷を受けた方もいらっしゃるかもしれません。

そうした心の傷を残したまま、あるいは気が付かないまま大人になったけれど、自分自身の行動や考えに自信が持てなかったり、嫌なことを「嫌」と言えなかったりして、生きにくいと感じている方がいます。

また、同様に幼少期のつらい体験がもととなり、大人になっても幼少期の思考パターンや習慣を続けてしまう方もいらっしゃいます。

幼少期の頃の思考が残っているパターン
・自分は愛されない存在である
・生まれてこない方がよかった
・自分が我慢をすればなんとかなる
・人のいう言葉は必ず聞く
・上手に人と関わることができない

このようなケースは、退行催眠を利用することにより状況の改善を見込めることができます。幼少期の思い込みについて知りたい方は、「催眠療法と洗脳の違いは?安心して学んだり受けるために知っておきたいこと」の中に、幼少期の頃の洗脳について説明をしています。ぜひ読んでみてください。

さて、こういったアダルトチルドレンやインナーチャイルドと呼ばれる状況を抱えている方にとって、退行催眠は生きづらさを改善するためのきっかけとなる可能性があります。また、生まれつき資格や聴覚などの感覚が敏感で刺激を受けやすい特性を持つ、HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)を持つ方にとっても、退行催眠が効果的なケースがあります。

⑤退行催眠が向いていない人

退行催眠

先ほど、退行催眠が向いている人に対してお伝えをしました。逆に退行催眠が向いていない人はどんなタイプなのでしょうか。具体的にお伝えをします。

退行催眠が向いていない方は、あまりにも幼少期の傷が辛いパターンです。例えば、暴力的な被害を受けている、性的な被害があった等の強い傷の場合は、退行催眠ではなく、自分が幸せになったこと、乗り越えた後を想像することができるイメージ催眠療法や、気になる気持ちを緩和することができる暗示療法がおすすめです。

日本のカウンセリングの傾向も含めて、過去に触れることがとても多いです。しかしながら、過去に焦点を当てるだけではなく、「いまと未来」があなたにとって、とても重要なことです。これから先をいかに楽しく、いかに本来のあなたらしく生きることができるのか。

大切なことはただそれだけですので、幼少期や傷ついた気持ちが深すぎる場合は、退行催眠ではなく他の催眠療法を受けることで素早く状況の改善をすることができます。

⑥ 退行催眠で対応できること

退行催眠

アダルトチルドレンやインナーチャイルドと呼ばれる状況は、幼少期に負った心の傷が原因となっているケースが多い傾向があります。そのため、年齢退行催眠によって幼少期の体験を明らかにすることで、トラウマを解決する方法がわかる可能性は高くなります。

また、人によってはトラウマとまではいかなくても過去の経験からわだかまりが残った状態で成長しなければならなかったり、本来のあなた自身が抱いている本音やありのままの感情などを普段は心の奥底に押し込めていたりする可能性があります。こうした普段は隠している心の傷を癒すことによって、生きづらさの解消に役立てられるケースもあります。

⑦退行催眠だけではなく、数多くの種類から選択しよう

退行催眠

一口に催眠療法と言っても、そのアプローチ方法は一つではありません。その一つである退行催眠は、幼少期に家庭内や周囲との関わりの中で受けた傷を抱えたまま大人になった方や、子どものころの考え方や習慣に縛られてしまう方、HSPと呼ばれる特性を持つ方にとって生きづらさを改善できる大きなきっかけになる可能性があります。

しかし、催眠療法にはさまざまな種類があるため、あなた自身が抱えている悩みやトラウマに合わせた療法を選択することが何よりも大切です。催眠療法と聞くと、どんなことを行うのかわからずに怖いと感じてしまったり、不安に思ったりする方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、正しい方法で催眠療法を受けることで、あなたの抱えている悩みを軽くできる可能性もあるのです。解決したい悩みを抱えている方は、一度催眠療法を試してみてはいかがでしょうか。詳しい催眠療法について知りたい方は、「ヒプノジャパンの催眠療法」をご覧ください。

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