現代催眠の使い手であるミルトンエリクソンとは？今日からできる現代催眠の方法も伝授

いきなりですが、現代催眠というものをご存じでしょうか。例えば、あなたが、仕事での営業成績を上げたい、相手から信用されたいという思いを抱いているとします。

ここだけの話ですが、現代催眠を利用することで、そういった仕事の悩みだけでなく、恋愛や人間関係などさまざまな悩みを解決できる可能性があるのです。

しかし、どうしてそんなことができるのでしょうか？いかにも怪しいと感じる方もいれば、「ぜひ身につけたい！」という思いを抱いてくれた方も、まずはこの文章を最後まで読んでみませんか。

なぜなら、この文章では、現代催眠とはどのようなものかについてまとめると共に今日からできる内容も書かれています。
簡単なセラピーとしても、日常生活に取り入れられている現代催眠の知識や技術を身につけて、あなたも人生を豊かにする一歩を踏み出しませんか？

① 現代催眠のミルトン・エリクソンとは誰？

まずは、現代催眠の担い手とも言われている「ミルトン・エリクソン」についてご紹介しましょう。ミルトン・エリクソンとは、アメリカの臨床催眠学会の創始者で、催眠療法家としても名を馳せた精神科医であり、心理学者です。

実際にアメリカの「GoodTherapy」というサイトでも下記のように紹介されています。

Milton Erickson was a 20th century psychiatrist who specialized in hypnosis and family therapy. He founded the American Society for Clinical Hypnosis.（ミルトンエリクソンは、20世紀で一番長けている催眠療法、家族療法の心理学者である。そして、アメリカの臨床催眠学会の創設者でもある。）

引用：goode　thrapy

このように、「20世紀最高の天才的催眠療法家」、「天才セラピスト」とも呼ばれるミルトン・エリクソンですが、幼少期から重度の身体障害を患っていました。

身体の自由がきかない一方で、ミルトン・エリクソンは周囲の人間の言動に大きな興味を抱くようになります。そんな彼は、催眠をコミュニケーションの一つとしてとらえ、クライアントごとに対応の異なる臨機応変な催眠療法を編み出しました。これが、現代催眠です。

ミルトンエリクソンについて覚えておきたいポイント
・アメリカの天才セラピスト
・臨床催眠学会の創設者
・催眠をひとつのコミュニケーションとして確立

② ミルトン・エリクソンが発案した現代催眠とは？

催眠と聞くと、催眠療法士の言葉に従うというイメージを抱いている方が多いのではないでしょうか。例えば療法士の言葉通りに眠くなったり、体が動かなくなったりするという印象があるかもしれません。

しかし、ミルトン・エリクソンの現代催眠では、こういった「強制的な言葉がけ」というものを行いません。ミルトン・エリクソンの催眠療法では、「眠くなるかもしれないし、ならないかもしれない」といった、相手に選択肢を与える言葉を使用します。

相手の行動を断定しない言い方のため、さまざまなタイプの人に受け入れられるのです。簡単に言えば現代催眠とは、「催眠」という概念にこだわらず、ちょっとしたおしゃべりやコミュニケーションを通じて、クライアントの気持ちをほぐすこと。そして、それによって普段とは違う方向に意識を向け、考え方を変えていく手助けをする話法なのです。

この現代催眠とは別に、強制的に誘導を行う催眠の技法が催眠術や催眠療法です。もっと詳しく催眠術や療法について知りたい方は、「催眠術と催眠療法は何が違うの？！催眠の先生が徹底解説をします」をご覧ください。

③ミルトン・エリクソンの現代催眠でできること

さて、ミルトンエリクソンの現代催眠について触れてきましたが現代催眠を学ぶことによりどんなメリットがあり、どんな変化を日常生活で得ることができるのでしょうか。まとめてみました。

④ 現代催眠を学ぶことは難しいの？

催眠と聞くと、とても難しいイメージを抱いている方も多いのではないでしょうか。専門的な知識を得て、長い経験を積まなければならないという印象があるかもしれません。確かに直ぐに本を読んだだけ全てを理解し、実践することはとても難しいです。しかしこれは、現代催眠に関わらずどんなことでも同じだと思っています。

例えば、コミュニケーションの技術も本を読んだだけでは知識を知っているだけで止まってしまいます。大切なことは、現代催眠の基礎知識を知るだけではなく実践を繰り返しながら徐々にスキルを体得することです。そうすることで、スムーズに現代催眠を習得することができ、自然と現代催眠を日常生活で利用できるようになります。

実際に弊社でも現代催眠を学びにお越しくださる方も同じように心配..と考えている方はいらっしゃいましたが、みなさま無事に習得をすることができています。

また、実は現代催眠は相手を支配することなく、コミュニケーションの一環として取り入れられる催眠療法です。自己催眠への応用もできるため、比較的身近で取り入れやすい催眠と言えます。

とは言われたものの、本当にそんなに簡単に習得できるものなの？と気になりますよね。そこで次の章では代表的な現代催眠が組み込まれた手法を３つご紹介します。

⑤ ミルトン・エリクソンの現代催眠の手法３選

ミルトンエリクソンの現代催眠の方法を３つほどお伝えをします。今日からできる内容ばかりですので、ぜひ人と会う時に実践をしてみてください。そうすると、今まで以上に円滑に人間関係が進みだしていきます。

現代催眠の方法①ラポール形成

ラポール形成とは、信頼できる間柄のことを意味します。クライアントと催眠療法士との間に不信感があったり、信頼関係が十分に築けていなかったりすると、催眠の効果はなかなか発揮されないこともあります。

そのため、まずは療法士の行動や言動などをクライアントに合わせていく、「マッチング」が必要です。マッチングにはいくつか手法がありますが、その中の一つが「ミラーリング」です。

ミラーリングとは..?
私たち人間は、向き合っている相手が自分と同じ行動を取ると、不思議と親近感を抱く性質があります。
例えば一緒に過ごす中で、ふと自分が楽しくて笑っているときに、相手も同じように笑ってくれると嬉しくなりませんか？同じように、悲しいと思っているときに相手も悲しい表情をしれくれると、わかってもらえているという安心感が生まれます。

さらに、1つの話題であっても「自分と同じものが好き」「住んでいる場所や出身地が同じ」「趣味が同じ」など、相手との共通点を見つけると不思議と相手との距離が近く感じます。このように、相手のちょっとしたしぐさや表情などに合わせて、鏡で反射したかのように同じ動きをすることをミラーリングと言います。

ページングとは..?
ペーシングと呼ばれる手法について紹介しましょう。
ペーシングとは、相手の声のトーンや呼吸、話すペース、リズムなどを相手のペースに合わせることです。

例えば会話をしていて、相手がとても早口で喋る方だった場合に「忙しいのかな」「話がつまらないのかな」など、マイナスなことを考えてしまって違和感を覚えることはありませんか？

また、相手がとても大きな声で話す方だった場合、怒られているような感じを受けたり、反対にとても小さな声で話す方だった場合にはもどかしさを感じたりすることがあるかもしれません。

ですが、自分と相手のしゃべるペースや音量、リズムなどが同じだと、不思議と話していて心地いいと感じられることがあります。ペーシングは、こういった相手のペースに同調することで親近感を与える手法です。

ミラーリングやページングは非常に役に立ち簡単にできますが、世の中で広く知られているというデメリットもあります。いかに自然に行うことができるのか？がポイントです。

現代催眠の方法②前提条件

前提条件とは、伝えたいメッセージを会話の中にさりげなく折り込むことによって、相手の無意識にメッセージを浸透させる手法です。簡単な例を挙げると、セールスマンがキッチン用品を売りたい場合、「何か足りない物はありませんか？」と聞いても断られてしまいます。

しかし、「煮物と炒め物、どちらをすることが多いですか？」と聞かれると煮物、あるいは炒め物と答えたときに鍋やフライパンを買うことが前提であるという錯覚を引き起こすのです。

もっと良い例でいえば「今日はいつもよりも、さらに良い表情だね」と言われると、「いつもよりも」という言葉から、「私は普段から良い顔をしているんだ」というプラスの前提を無意識に伝えられるのです。

よく利用されているシーン
・ビジネスの場面
・夜の世界（キャバクラやホスト）
・エステなどの勧誘場面

現代催眠の方法③因果関係

因果関係とは、物事の「原因」と「結果」を結び付けて伝える手法です。実は、私たち人間の脳は「○○だから△△」というように、伝えたい主張とその根拠をセットで伝えられると、理論的な話しのように聞こえてしまう傾向があります。

例えばただ「飲みに行こう」と誘われた場合、どうしようかなと迷ってしまうこともあるでしょう。ですが、「今日はすごく暑いから、ビールでも飲みに行こう」と誘われると、抵抗の度合が下がります。

同じように、失敗で落ち込んでいるときに「また次があるよ」と言われるより、「諦めない限り、きっと成功するよ」と言われたほうが前向きになれます。こういった手法が、因果関係です。

⑥現代催眠を学んでみませんか？

現代催眠は、催眠療法士の言葉に従う古典催眠と違い、クライアントの選択肢や意思を尊重したコミュニケーションによって気持ちをほぐしていく催眠療法です。

「眠くなります」というような強制的な言葉がけを行わないからこそ、クライアントが否定せずに受け入れやすい催眠と言えます。

催眠というと少し難しい印象を抱くかもしれませんが、現代催眠はコミュニケーションの一環として取り入れやすく、仕事や恋愛などさまざまなことに応用できるのです。催眠に興味はあるけれど、難しいことは苦手という方も、まずは現代催眠を試してみてはいかがでしょうか。